加盟希望者への開示にあたってのポイント

 フランチャイズビジネスにおいて、加盟店を成功に導き、ひいては本部も健全に発展していく観点からすると、正しい立地評価を行ない、データに基づいて売上予測を算出し、加盟店に客観的に提示していくことは、本部として本来的に行なうべき仕事であるといえます。
 ただし、店舗数の少ないアーリーステージの本部の場合、統計手法によるモデル予測はできませんので、その場合の最もフェアな情報公開のひとつは、直営店の実績数値をそのまま提示することでしょう。それを示した上で、加盟希望者が自ら店舗を回り、自身の候補地と比較し、予測値を得ようと努力することが健全な姿でありましょう。

 情報を公開する本部にあっては、加盟希望者への売上予測の提示のあり方として、以下の2点が特に重要です。

(1)しっかり根拠を説明する

・ 加盟希望者にプレゼンテーションを行なう計画書については、売上予測の根拠をはっきり明示し、相手が理解できるような説明を心掛ける。

・ 予測値や根拠を示すことに対して、「予測が外れたときのことを考えると書面を交付しておくことはまずい」とか「逆に自分たち(本部)の首をしめるだけだ」と考えるのは本末転倒。

・ まずい情報には蓋をするような姿勢の本部には発展は望めない。

(2)分かりやすく説明する

・ 計画書はできるだけ文字を少なくビジュアルにする。

・ 本部によっては多数の枚数になっているところもあるが、要約版をつけるなどして、加盟希望者が理解できるようなプレゼンテーションを心掛ける。

・ 理解度を計る意味から、逆にこちら(本部)から加盟希望者に質問をし、ポイントポイントでどう理解したかを問うてみることが必要。