売上予測の必要性

 出店立地を探索し、出店基準をクリアした候補地が見つかれば、次にテーマになってくるのが売上予測です。加盟店候補地の立地の良し悪しについて判断し、マーケット条件から読める売上予測値を算出していく仕組みを持つことは、本部にとって必要不可欠であるといえます。

 フランチャイズ本部が個々の候補地の売上予測に取り組む場合、最もオーソドックスな考え方が「過去の実績にもとづいて、個々の店舗の実績と様々な立地条件との関係を方程式化し、精度の高い売上試算式(予測モデル)を構築する」ということでしょう。

 店舗数がまだ一桁台のような本部は別として、二桁から数十店舗の規模になってきた本部であれば、過去の実績を振り返り、立地条件との関連性を分析することで、売上予測モデルを構築することは可能です。

 現在、本部の規模には関係なく、情報公開の進んだ本部の多くが自社でしっかりと分析を行って独自の売上予測モデルを作成しています。

 売上予測の精度の高いチェーンに共通するポイントは以下の通りです。

 ア)自社の業態の特性に合ったデータを調べている

 イ)判断基準をしっかり決めた上で実地調査を行なっている

 ウ)売上予側の目的が明確で組織体制もしっかりしている

 エ)分析手法の習得や人材育成に時間と費用を割いている

 オ)モデルの見直しを定期的に行なっている

 カ)コンピュータ・マッピングシステムで行なうことと(マシン・システム)と実地調査により人が行なうこと(マン・システム)の区分がしっかりできている

 キ)出店の社内意思決定プロセスの中に売上予側モデルが明確に位置付けられている